アルミボディという共通項 アウディR8×ホンダNSX
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:菊池 貴之
走り出した瞬間、響きが違う、と感じる。スチールボディのクルマとは明らかに室内の音が違う。アルミの響きが、そこにある。事実、アルミはスチールよりも振動数が下がるから響きが異なるのは当然だが、そうした理屈抜きに、何かこう、響きが違う。同時にアルミはスチールに比べ比重が1/3と軽量ゆえ、同サイズのスチールボディ車よりも車重を軽くできるため、走りの感覚も軽快だが、やはり理屈抜きに何かが異なる…。
そしてそれは、実に18年という隔世を経て存在するアウディ・R8とホンダ・NSXに共通して感じられる感覚。同じアルミボディ、同じミッドシップではあるが、方やV8・縦置き・全輪駆動、一方はV6・横置き・後輪駆動と形式は異なる。しかしアルミで作られているがゆえの感覚にはどこか、つながりを感じる。
ただ、ともに高い運動性能を誇るものの、今回走らせたNSXが“R”であることをさっ引いてもなお、R8を走らせると18年の差を痛感させる洗練された感触がある。R8はアルミボディかつミッドシップならではの高い運動性能を誇る一級のスポーツカーながら、高いコンフォート性をしっかりと提供する点がイマドキのスポーツカーらしい。
同じアルミを使いながら、ホンダはNSXというピュア・スポーツカーを作り上げ、アウディは現代の要求にも応える「ピュアなだけではない」部分をもしっかりと盛り込んだスポーツカー、R8を作り上げた。そしてこの部分にこそ、ホンダとアウディがアルミのスポーツカーに求めたものの違いがある、と思えるのである。
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